Archive for 7月, 2014

PostHeaderIcon 間取りと通り土間

京都などの古民家によく見られる通り土間は、間口が狭く、奥行きの長い住まいに、風通しを良くするために工夫された間取りでした。屋内のようであって、屋外のような通り土間には、まだ、給排水や煮炊きの施設が十分発達していなかった時代に、台所を設置したりもしていました。近年、そんな通り土間が人や風の動線という役目だけでなく、「趣味」「交流」などのキーワードで、見直されています。

私の先輩が住まいを建てたのは、農家をしている御主人の実家の隣地です。住まいの南側に通り土間を設け、その土間に面して、LDKやバスルームを設けました。玄関から真っ直ぐに伸びる通り土間のお陰で、室内の動線を通ることなく、バスルームに行くことができますから、土汚れが室内に入ることを防ぐことができます。また、通り土間に面した掃き出し窓から近所のママ友や子どもの友達が訪ねて来てくれるので、通り土間は交流の場にもなります。

通り土間には2階へのオープン型階段を設けましたから、階段からも太陽の光がふんだんにふりそそぎ、風通しも良いです。お陰で、自然の恵みを十分に生かすことができています。しかし、問題は冬の厳しい寒さです。LDKは通り土間と一体にして、南側が大きく開いていますから、かなり明るく、開放的なのですが、その分、冬は暖房効率が低下してしまいます。この地方は、冬はなかなか晴れず、どんよりとした曇りの日が続きますから、太陽の光がふりそそぐことが少なく、通り土間はかなり寒々としています。土間とLDKの間に、引き戸を設置すればよかったと思いました。冬は、LDKと通り土間、通り土間から階段、階段から2階の廊下に繋がる空間が繋がっていることが、デメリットに働いてしまいます。春から秋の居住性だけを考えて、住まいを考えると、冬の居住性が低下することもあります。